展示作品の見どころ ① シードパール・ティアラ

真珠の養殖技術が確立される以前、真珠は大変貴重なものでした。1867年、南アフリカでダイヤモンド鉱山が発見され、供給量の増大にともないダイヤモンドの値段がやや下がるようになると、今度はいっそう希少な天然真珠が、もっとも高級な宝石として君臨したのです。

白蝶貝の中から発見される天然真珠のうち、直径が1ミリ前後のサイズの真珠をシード(種)パールと呼びます。小粒な外観がケシの種に似ていることから呼び名が付いたそうです。小さな粒にはすべて孔が開けられ、細い糸(馬の尻尾の毛)で連結して、貝殻から切り出されたフレームに結び付けています。 現在は真珠を結ぶ糸として、高密度ポリエチレンやステンレスワイヤーも使われます。そんな素材が無かった時代は馬の尻尾の毛でした。馬の毛は弦楽器のヴァイオリンやチェロの弓に張って、弦を擦って音を出すためにも使われていますが、透明感のある素材のため、真珠とは相性がいいのでしょう。

このティアラには、イングランドを象徴するバラ、スコットランドのアザミ、アイルランドのシャムロック(三つ葉のクローバ)の3種類の植物がモティーフに採用されています。表示(←クリック)

裏側を見るとバラの花には螺旋状のコイルがつけられています。ちょっとした振動で花が小刻みに揺れる趣向です。  表示(←クリック)